苗村神社 三十三年式年大祭
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    苗村神社について

    御祭神

御祭神の那牟羅彦神 那牟羅姫神は、当地方に始めて工芸技術 産業を伝え広められた産土の神様で夫婦和合、諸願成就の神様として、古来より篤く尊崇申し上げる祖神であります。
國狹槌尊は、国土を開発し、五穀の豊穣と財宝の恵みを垂れ賜い、とりわけ子守大明神と申し上げ、幼児子供をお守り下さる御神徳は広大無辺,誠に格式高き神様として、当地方三十余郷の氏子達ひとしく崇敬申し上げる御祭神であります。


相殿神として大國主神 事代主神 素盞鳴尊をお祀り申し上げ、福徳を授け、良縁を結び、悪疫を滅し、五穀の豊穣を守護される神様であります。


    御神徳
開運招福 家内安全 厄 除 工芸技術 産 業
五穀豊穣 子 授 け 安 産 交通安全 良 縁


    苗村神社 由緒

当社の御鎮座は上古に属し、平安時代の延喜式神名帳(えんぎしきしんみょうちょう)に列座された長寸(なむら)神社にして、格式の高い式内社であります。社伝によれば垂仁天皇の御代に当地方を開拓された御祖をお祀りしたのが創祀とされます。
即ち当社神域に現存する古墳或いは域内外より出土する陶物は、何れも古墳時代の遺跡或いは遺品であり当時既に祖先の遺業に励んだ部民の聚住を物語っています。これ等の先人達は、先祖に対する報恩の念により祖霊を神として、当神域の東の方にお祀りしたのに創り、この祭神こそ当地方最高の祖神と心得、地名である那牟羅(なむら)と同音になる長寸(なむら)(長は最高位 寸は村の古字)の字に替えて長寸神社と申し上げました。この御社を后の世になって東本殿と申すようになりました。
 その后、時代の経過と共に稲作農耕が愈々盛んとなってきました平安時代の安和二年(969)三月二十八日、大和國芳野金峯山に鎮まり給うた國狹槌尊(くにのさつちみこと)の御神霊が、この神域の西の方に御遷座されるようになり、社殿を御造営申し上げ、此処に御鎮座になりました。この御社を東本殿に対して西本殿と御呼びします。
 現在の西本殿は、社蔵されている当地方最古と言われる徳治三年(1308)の棟札によりますと、建保五年(1217)に修造され、更に徳治三年に再建されたこと、及び当時の修造には遠隔の地まで沙汰せられ、有力な豪族が神事を司ったことが明記されています。しかもその当時の建築様式(鎌倉時代)は、その后度々の修造もありましたが、当時の様式は今によく伝えられ、棟札と共に国宝に指定されています。
 現時の社名、苗村の称号は社蔵の古文書によりますと、もとこの地域は日本書紀垂仁紀三年三月新羅王子・天日槍(あめのひぼこ)の條に曰う吾那邑(あなのむら)でありましたが、その后、那牟羅(なむら)に改まり、更に長寸(なむら)に替えられました。次いで寛仁元年(1017)正月、朝廷に門松用の松苗を献上することの栄に浴して以来、年々の吉例となり、時の帝、後一條天皇はこれを嘉みせられ、苗村(なむら)の称号を賜り、以后苗村神社と呼ぶ、と記されています。
 斯くて、創祀以来社運年毎に栄えて来ましたが、何時の時代も苗村郷三十三ヶ村の総社と、人々の信仰の中心となってきた大宮であります。
取り分け天文五年(1536)朝廷の当社に寄せられた格別の恩命は、未来永劫に亘って誇りとする処で、社有の記録には、同年三月二十二日、後奈良天皇は、当社に「正一位」の神位奉授し給い、同四月十九日に勅使として中御門宗藤・山科言継を御差遣になり神位記を奉納され、ついで、神主盛継に修理大夫任官の口宣を御くだしになる。この時、征夷大将軍足利義晴より勅使参向に当って三箇條の禁制札を下地される。
續いて同五月九日、更に天皇は「正一位苗村大明神」の勅額の御下賜があり、又同月十二日関白太政大臣近衛植家公を始め三十人の公卿は、京都において法楽歌会を催され、同月十六日中御門宗藤卿は、使者を以て当日の和歌を送られ、同十九日神主盛継はこれを神前に奉納された記録が今に残っています。
 天正年間には、織田信長が、天下太平を祈願し当社に馬鞍一具と太刀七振りを寄進している。誠に当社の栄誉これに勝るものなく、社名自ずと四海に遍くところであり、今日三十余郷の氏人達は、累代に亘って神仕えされてきた春日皇子の後裔である現神主を中心として、この栄誉高き御宮に余念をまじえず、只管崇敬奉仕申し上げる処であります。


    指定文化財
国宝
建造物 西本殿 ・厨子一基
・棟札一枚

重要文化財
建造物 東本殿 ・棟札二枚
・八幡社本殿
・十禅師社殿
・楼門
・神輿庫
佛像 不動明王立像

その他未指定文化財
石燈籠 三基 ・六角型  一基  南北朝時代
・四角型  二基  室町時代


    社宝
社宝
口宣案 一通 後奈良天皇奉納
位記 一巻 後奈良天皇奉納
勅額御書 一枚 後奈良天皇下賜
勅額 一面 後奈良天皇下賜
制札 一面 地頭稲葉兵庫守
法楽歌 一冊 近衛植家卿 始め以下三十人奉納
一振 豊後国行平作
一振 正宗作
太刀 七振 織田信長寄進
馬具 一具 織田信長寄進
棟札 三枚他